スキンケアマニュアル ―レーザートーニング―
レーザートーニングは、メラニンの熱緩和時間よりも短いパルス幅を持つレーザー(Qスイッチレーザー、ピコレーザーなど)を低フルエンスで照射することで、炎症を軽度に抑えながらメラニン除去を行う治療法です。
レーザー治療の直後は、表皮のダメージはほとんどなく、軽度の発赤や腫脹が見られますが数時間で治まります。症状にもよりますが、複数回の治療が必要になります。
レーザートーニングは、プレトリートメントが治療の成否に影響すると考えられています。治療にあたっては、各レーザー機器の治療指針と併せてご確認ください。
レーザー治療期間中のおすすめスキンケアを手順ごとに解説します。
レーザートーニングのおすすめスキンケア
1.プレトリートメント(治療前1~2ヶ月)
ピーリング、トレチノイン等を用いたスキンケアなどの強い角質剥離作用がある治療や、スクラブ洗顔は中止してください。
メラノサイトの活性を抑制する美白剤などの外用に加え、内服・日焼け止めの使用をおすすめします。
・十分な遮光
・摩擦を抑えた洗顔
・ハイドロキノン配合クリーム
おすすめ
2. レーザー照射
レーザー照射前には、日焼け止めやメイクをしっかりと洗い流します。汗や皮脂、化粧が残ったまま照射すると過度な炎症を引き起こす可能性があります。
治療直後は一時的な発赤やほてり、かゆみを感じる場合があるため、掻いたりこすったりしないよう指導します。バリア機能が低下し乾燥しやすくなるため、保湿をしっかりと行います。
・メイクをしっかりと落とせる院内用の洗顔料
・バリア機能を補助する保湿剤
おすすめ
3.次回のレーザー照射に向けて
プレトリートメント同様に、外用・内服・日焼け止め等のホームケアを継続します。
・ハイドロキノン配合クリーム
・美白剤
・日焼け止め
おすすめ
※肝斑を含む色素性疾患全般に対して、レーザートーニングを第一選択とするものではなく、シミ治療の基本である保存療法、スキンケア方法をベースとした治療との併用を推奨しています。