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コラム

「小麦(小麦粉)とアレルギー」

 良く口にする小麦粉について、その成分や特性から病気に関することまで科学してみたいと思います。

小麦粉は、その名のとおり小麦を挽いて作られた粉です。その7〜8割がデンプンですが、タンパク質も約1割含まれています。
 主なタンパク質はグルテニンとグリアジンで、水を吸収して粘りのあるグルテンとなります。
このグルテンこそがうどん等の麺の『コシ』の正体であり、タンパク質の特性としてはグルテニンの弾力性、グリアジンが粘着性を示します。良く練ることによりこの2つのタンパク質が強く結び付き『コシの強さ』が生じます。

 小麦粉は、このタンパク質(グルテニン、グリアジン)の割合により、グルテンの性質が異なり強力粉、中力粉、薄力粉に分けられ、使い方も異なります。

強力粉(きょうりきこ):タンパク質の割合が12%以上で、パン、パン粉、ラーメン等に使われます。

中力粉(ちゅうりきこ):タンパク質の割合が9%前後で、うどん、素麺、冷や麦、お好み焼き、たこ焼き、餃子の皮等に使われ、“うどん粉”とも言います。

薄力粉(はくりきこ):タンパク質の割合が8.5%以下で、ケーキ、ホットケーキ、クッキー等の菓子類・天ぷら粉に使われます。

 グルテニンやグリアジン等は、“植物性タンパク質”と呼ばれる物の一つであり、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の加工食品にも使用されています。

 色々な食品に用いられる小麦粉ですが、一方では、アレルギー(即時型)も良く知られていて、最近では食物アレルギーの原因の第3位(1位は卵、2位は乳製品、4位が大豆)、成人だけでみると果物(キウイ等)・カニ・エビを凌いで第1位と言われています(平成13,14年度厚労省研究)。

 最近の研究では、小麦粉に対するアレルギーは、タンパク質であるグルテニンとグリアジンが原因であることが判っていて、グルテニンだけに対して感受性が強い(アレルギーがある)人は症状が軽い傾向があり、グリアジンに対して感受性が強い人は症状が強く、運動誘発(小麦食を食べた後にスポーツ等の運動を行う事により蕁麻疹、下痢、呼吸困難等の症状が出る)により、稀にショック等を引起すことも報告されています。

 今では、食品加工の技術により特定の成分だけを除去することができますし、遺伝子組み換え技術によれば代替タンパク質の作成が可能でありますので、将来的にはアレルギーフリーな小麦粉の登場も期待されています。

 食品の様な身近な物でも興味を持って掘り下げて行くと、その成分及び働きには科学的な根拠があって、それを作り出した(考え出した)人もすごいけれど、調べ上げた(研究した)人もすごいと驚嘆するばかりです。



技術本部
薬事担当係長(薬剤師)
吉地 裕一

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